
Lotus-22(JOKER 1/24)・ BRABHAM BT-21 (Heller 1/24)製作【予告】編
60年台のジュニアフォーミュラ、ロータス22とブラバムBT-21です。
初めて葉巻型フォーミュラを見たのは、20代の頃まだ鈴鹿サーキットホテルの地下にあったホンダコレクションホール(今は茂木に移転)で、 RA-272やRA-300といったF1マシンや、ホンダのF2エンジンを積んだブラバムなどを何度も見てはいたのですが、 感激したのは40代半ばになってから、2008年に初台(渋谷区)のオペラシティで開催された 「F1 疾走するデザイン」展を見たときです。
そこには年代ごとに8台のマシンが展示されていましたが、私の目が釘付けになったのは、 史上初のミッドエンジンF1「クーパーT51」と3リッターフォーミュラ初のチャンピオンマシン「ブラバムBT-20」の2台でした。
「クーパーT51」は、いかにも50年代末のイギリスの(当時としては先進的な?)街工場で作られたような雰囲気がプンプンで、 特にサスペンションは一対のリーフスプリングがアクスル上に平行に配置され、 アッパーアームを兼ねているような構造でした。 (カッコよかった〜。ホントはコベントリー・クライマックスのエンジンも見たかったけど、それは無理でした。)
ブラバムの方は非力だったレプコ社製エンジンのエアファンネルやExマニホールドの配置角度がやたら格好良かったことと、 そして両車ともコクピット内部は左右に太い鋼管スペースフレームが裸のまま囲っており、 そのスプリングやフレームに、自称「鋼フェチ」の私はついゾクゾクしたことをハッキリと覚えています。
ということで、私はロータス25から始まったアルミモノコックのマシンではなく、 スペースフレームのプリミティブな葉巻型フォーミュラが好きなんだと気付いた顛末でした。
それではキットについて(下の画像は、キットに添付されていた完成イメージの写真をスキャンしたもの)

このキットはレジン製でタミヤのロータス・セブンのコスワースエンジン等を使うトランスキット。 私には未知で何の情報もないJOKERというブランドのものです。 Web上での作例は見かけませんが様々な車種のキットが販売されたようで、今回のキットを見る限り真面目に作ってある印象です。(インストにある「模型の初心者に完成できる内容ではありません・・・」という文言がヤル気を起こさせます。)
私はブリティッシュグリーンのワークスカラーよりも、「ロブ・ウォーカーレーシング」のチームカラーが好きなので、 1961年にスターリング・モスがモナコGPで勝ったロータス18のカラーリングを模して作りたいと思っています。

ただしBOXアートを見るとわかるように(左がオリジナル、右がユニオン版)、 60年代後半に生沢徹がこのマシンに乗ってヨーロッパF3で活躍しなければ、 おそらく日本でキット化されることは無かったんじゃないでしょうか?(なんたってF3マシンですからねえ)。
そして私がこのキットを買った理由は何と言ってもスペースフレームまで再現されているからに他なりません。 そもそも葉巻型フォーミュラ自体のモデル化が非常に少ないわけですが、アルミモノコックではなくスペースフレーム、 さらにそのフレームまで再現されているモデルはほとんど無いんじゃないかと思います。
(残念なことに最近倒産したEBBRO社が販売した、 同じブラバムのBT18というホンダエンジンを積んだF2マシンがフレームまで再現されていたようです。私は1/20スケールにはあまり興味がなかったので食指は動きませんでしたが・・・)
このフレームまで再現されたマシンをどのように表現するか?それが私の楽しみでもあります。
(このマシンのエンジンはコスワースMAEが積まれているようですが、タミヤのロータス・セブンのエンジンもコスワースなので、 キットのややモールドの甘いエンジンではなくタミヤ・セブンのエンジンを転用してみようと思っています。)
私の青春時代にF1の強豪チームであったロータスとブラバム。 コーリン・チャップマンとバーニー・エクレストンというそれぞれのチームオーナーの強い個性の記憶と、 無くなってしまった両チームへの郷愁もキット選択に無意識に影響したんだと思います。