BRM・P57(Wills Finecast 1/24)製作編

( 初めてのホワイトメタルキット、プラとは違う面白さが愉しい! )
ていねいに、こつこつと。
前回の最後に記した課題をひとつひとつクリアしていきます。(久々の更新なので今回は長いです。)サスペンション周り
まずは接着で固定することになってるリアアップライトとアッパーアーム部分、ここはスタビライザーを追加する予定なこともあって、軸を通したいところ。
そしてここでやってしまいました! 穴を開け終わりドリル抜こうとした際にアッパーアームの先端がポキっと折れてしまったのです。ホワイトメタルはプラと違って簡単には折れないだろうと油断してました。
幸い、折れたのはほとんど応力の生じない箇所なのでエポキシ系接着剤で繋ぎ、プラサフを吹いて確認したところ、ほとんど跡が残らずにリカバリーできました。

( 折った瞬間には「オワッてしまった」と思ったものの、諦めずに気を取り直してヨカッタ。 )
そして長さ7mmほどの0.8mm径アルミパイプの両端をバイスで潰し、0.5mmの穴を開けて整形した、アッパーアームとアンチロールバーの接続部品を作って洋白線を通し、形になることを確認していったん終了。
次はダンパーのコイルスプリングのリアル化。

バリ取りの際はまったく感じず、逆に削りやすいと思っていたホワイトメタル、けれどもダンパーのパーツは錫の配合比率を高めてあるのかと思うほど硬いのです(実際そうなのかも)。指先に力を入れて保持しなければ作業できないこともあって、1個削るだけで指先はヒリヒリと痛くなって1日1個が精一杯。
ちなみにスプリングはWAVEの4mm径を使用(ロータス・セブンの時は3mm)。まあ出来上がってみると指を痛めて4日間かけた甲斐のある出来にはなりました。
続いてフロント側、キットのアップライトにはタイロッドが無い。タイヤがむき出しのフォーミュラカーでタイロッドが無いと言うのは何とも寂しい、とゆうかちょっとオマヌケ。
そこで数少ない実車画像を見ながら、どう再現しようか悩みました。プラだと強度がかなり不安なのですが、かといって代用できそうな金属は無いぞと思っていたところが、ありました! 下はインスト画像ですが、エンジンブロック上部のパーツ、私の作るタイプはエキパイのステーは不要なため切り取る必要がありました。


( 切り出した端材の板を加工し、タイロッドにするアルミパイプをいったん取り付けてみたところ。 )
あとは下の画像の通り、切り出した端材パーツに慎重に縦穴を開け、さらに切り込みを作り、その切り込みにアルミパイプから作ったタイロッドを入れて志賀針(2号)を通して固定。最後に端材パーツとアップライトにそれぞれ穴を開け、強固にするため洋白線を軸にして瞬着で双方を接着しました。

最後はリアに戻ってスタビライザー、これはカッコよく言えばプロトタイプで、実際の取り付け方は下の画像とは少し異なる形になると思っています。

エンジン周り
エンジン周りと入っても加工ポイントはたったの2つ。
キットにはエアファンネルがパーツ化されています。ホワイトメタルで豊かな質感なのはいいのですが、難点は「ファンネル/じょうご」状になってないことですね。
キットのエンジンカウルをそのまま使えば62年前期型でもあまり見えないので問題無なさそうですし、63年型になるとファンネルはまったく隠れてしまうので問題にもなりません。
しかし先に書いたように私は今回、黒いメッシュに覆われながらもむき出しになったファンネルを再現したいので、埋まったままの状態は絶対に避けたいのです。
そこで初めて使う「大道具」の登場です。
3年前に真空管アンプを自作した際、2mm厚のアルミパネルを加工するのに大変苦労した経験からボール盤の必要性を再認識し、 その直後に中古の卓上小型ボール盤をヤフオクで落札しておいたものです。ボール盤を使う工作なんてそうめったに有るものでは無いことはわかっていたのですが、「いつかきっと使う時が来る」という何の根拠もない予感があり(笑、ついにその時が来ました。
使い方自体に難しさはなく、垂直に穴が開く精度に感心したのですが、注意が必要なのは深く彫りすぎないことですね。そして最後の8個目でやってしまいました(下の画像の赤い矢印部分)。

その後UVレジンも試しましたが、これは接着力が弱くてダメ。最後に「プラリペア」で埋めてみたところこれは正解でした。そして完全に硬化した後に再度ボール盤で超慎重に穴を開け直し、何とか事無きを得ました。
次はエキゾーストパイプ。
このキットの後期型は片バンク4本のエキパイが、独立して後方へ排気する形になっていますが、実車画像を検索する限りまったく見当たらず、僅かに4into2があった他はすべて4into1でした。(正確には4in2in1なのかも・・・さすがにその再現はちょっとムリ)
そこで4into1化を目論むのですが、これには少々悩みました。もちろんどうやってパイプをまとめるかということです。そして試行錯誤の結果たどり着いたのは「Holts ねんどパテ」を使う方法です。これは元来ホンモノのクルマ用のパテなのですが、飛行機プラモを作っていた際にも胴体内部でのコックピットやウエイトの固定に重宝していました。例えばタミヤのエポキシパテなどに比べ、ベタつかず粘度が高めということでしょうか。
まず、キットのエキパイの終端部をできるだけ2x2になるようまとめ、短いパイプに合わせて他の3本のパイプを切り揃えました。そして集合パイプは外形2mmのアルミパイプを使い接合部側に0.8mmの洋白線を差し込み接着して軸にします。その軸を先ほどの2x2部分の中央に差し込み瞬着で接着(この際の水平/垂直方向には注意が要ります)。乾燥したら接合部分にねんどパテを盛り付け、パイプの集合部っぽく整形していきます。ねんどパテは、この整形のしやすさが抜群です。

( アタマで考えている時は上手くできるかまったく自信がなかったのですが、想像以上に良く出来ました。 )

コクピット周り
キットのコクピットはシートしか再現がなくがらんどう状態、これはいつも思うことですが「作りたかったら自分で何とかしてね」ということなのだと考えています。

( まん中に見えているのは自作途中のシフトレバー/リンケージ部分。 )
そこでまずプラバンを使ってサイドパネルを作りました。あとはシフトレバーやリンケージ、メーター類の配線を少し加える予定でいます。

( 自作したメーターパネルのフィッティングを確認中。 )
そしてキットのメーターパネルはそれなりなのですが、メーター部分をくり抜いてサードパーティーのデカールを貼っても、ぶ厚くてリアルじゃなさそうなため自作する予定です。
今回はここまで、この後はコクピットの追加工作を終え、フロントカウル側を加工します。
それが終わったらいよいよ塗装ですね。
(2026年8月7日)
下ごしらえも大詰め
メーター周りの製作メーターパネルは、基本的にロータス・セブンで製作した手法と同じ。異なるのはメーターリングを洋白線を丸めて作るのではなく、「WAVEのベーシックエッチング・丸⑤」を使ったことです。これはゲートの無いパーツで使い勝手はいいのですが、輝き方はやや鈍く(平面なので仕方がないです)洋白線に軍配が上がりますね。
そしてメーターのデカールは、barchetta製を使いました(3.5mm径と1.9mm径)。

( 過去すべてのカーモデルに使ったクリアフィルムを今回も使用、反射具合はいつもながらサイコー。 )
コクピットの仕上げ
実車画像を参考に、シフトレバーの基部は2mmのプラ角棒から作り(ここでもボール盤が役に立ちました)、レバーとリンケージは洋白線、そしてノブは「ねんどパテ」から造形。向かって右にはメーターの配線とパネルを1枚追加しておきました。

( 全体を半ツヤブラックで塗装すると、引き締まって見えます。 )
また、シートの座面が貧相だったので、1.2mmのプラ板を薄いクッション状に切り出し貼り付けています。
ステアリング
コクピットの最後はステアリング。キットのパーツはスポークが薄く(さすがホワイトメタル!)リアルなのですが、ホイール部分が少し細過ぎなうえ径がやや大きく感じます。また中央のボタン風の装飾は実車にはありません。また、考証的に材質はウッドかと思いますが、今回はレザー風にしようと思います。
そして意を決してホイール部分を切り落とし、代わりにジャンクパーツの中から見つけた径がイメージピッタリのステアリングからホイール部分のみを切り取り、ウラ側から慎重に瞬着で接着しました。
最後は、平らに均したスポーク中央部に実車同様のリベットを模して志賀針を通します。ここで下側のリベットがやや右にズレてしまったのは残念でしたが、ゼロから作ったコクピット、上出来です。

( ステアリングの下側、奥に僅かに見える自作したABCペダル、かなりドライバー側に寄っており、あるだけマシなレベルです。 )
ラジエターとカムカバー
下の画像左端は実車のカムカバー(ツインカムの下側)です。1,500ccのV8エンジンなので、片バンクで750ccの4気筒になります。そのサイズにしては多くの溝がヒートシンクとして彫られていますね。
対してキットのパーツにモールドはありません。まあ62年前期型は片側4本のエキパイがほぼ真上に跳ね上がっっているのが特徴的で、その場合はカムカバーがほぼ隠れてしまうので問題ないかもしれませんが、今回は後方排気の集合パイプなので丸見えになってしまうのです。

そして私はこのカムカバーの表現は、このキットを作る上で大きなポイントになりそうな気がするのです。左の画像は、ある海外のサイトにあるほぼ唯一の作例から切り取った画像ですが、平らなカムカバーはやはり味気なく感じてしまいます。
ではこのスリット状の表現がどうしたら出来るのか? かなり考えた結果たどり着いたのが上の3連画像の右端にあるパーツの利用でした。
このパーツは以前、タイヤだけが欲しくて、お手付きジャンクキットとしてヤフオクで落札していた、プロターの1/9(ヤマハRD05A、1960年代の後半に世界GPで大活躍した、250cc水冷2ストロークV4エンジン車)キットから取り出したラジエターのパーツです。
実は以前、セブリング風スプライトを作った際も利用していたのですが、その際に残っていた(反対面の)ものです
左の画像はラインチゼルを使って彫りを深くしようと試みているところ。ところどころラインがズレかかってしまうのはご愛嬌、やはり彫りが深い方がリアルに見えますね。「BRM」のロゴはどうしようもないので省略です。

エンジンカウル
先に載せたエンジンカウルの分割プラン、


ホイール
かなり荒っぽくキャストされていたのがホイール。何しろ円形なのでキレイにムダな部分を削り取れるか考えた結果、3mmのボルト/ナットと樹脂ワッシャーを使ってルーターに固定し。金属やスポンジ/紙ヤスリを駆使して頑張ってみた。


( 穴は貫通し孔へ。 また実車のように大きな孔の間に小さな穴をあけておきました。 )
ボディの表面加工
先ずはノーズの加工。初期のBRMの特徴として、ノーズの中央にタテ2枚のフィンが付いていますが、これは63年には無くなります。キットモールドされていたフィンはニッパーで切り取りヤスリで整形しました。
そしてこの奥に先に書いた楕円形のラジエターを接着する予定です。
続いてノーズ上に、冷却水のリザーバータンクの給水キャップ取り付け用の孔を開け、左側面にはインストでは表面に接着するよう指示されているイグナイターを沈み込ませるための孔も開けました。

( 穴は貫通し孔へ。 また実車のように大きな孔の間に小さな穴をあけておきました。 )
そしてパネルラインのスジ彫り、0.5mmのプラ板をガイドとしてボディに両面テープで貼り付け、2種のスジ彫りツールとエッチングソーを使って作業。縦のラインがやや太くなってしまったけど、相変わらずスジ彫りは苦手。
次はリベットの再現。側面のパネルラインの下に0.5mmのピンバイスで等間隔に穴を開けていきます。この時に役に立つのが「ベルテクス ピッチガイドシート(1.25)」、これはモデラーじゃないと思いつかないスグレモノですね。
最後にラインの上には凸リベットとして志賀針を使って再現しました。
塗装前の最後の課題
残る作業は2つ。
1つめはウインドスクリーン、これはバキュームフォームのパーツで初めて扱うものです。ガレージキットやヨンサンのキットではおなじみのパーツだと思いますが、これをキレイに切り出して作られたウインドウ類は、私にとってある種の憧れでもありました。
2つ目はエンジンカウルに取り付けるエアファンネルメッシュです。これをカウルにピッタリと合うように切り出して丸く曲げるというのは、間違いなく今回のハイライトになるものと思っています。
これを上手くやるためには、ぜったい治具(型)があった方が良いと思っており、今から木片を使って試作する予定でいます。
(2026年8月25日)
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