フロントサス周りの工作
今までは1キット1ページで進めてきましたが、今回は(今回も?)長くなりそうなのでページを改めます。先ずフロントダンパー、キットでは(当然)ダンパーとスプリングを一体化しモールドしてあります。ですがセブンというクルマは異例中の異例、フロントサスがむき出しのクルマですのでここはコイルスプリングを自作してみることにしました。

(とっさに浮かんだアイデアをやってみること、そして有りものだけで何とかしてみようというのは、プラモデル作りを豊かにするポイントだと思います。)
当初はダンパーも自作しようと思っていましたが強度が出せるか不安になったのでスプリングのモールドだけを削ってダンパー部分を残せるかチャレンジしてみました。
最初にデザインナイフでスプリング部分を削った時点でダンパー部分はガタガタ、「こりゃムリだわ!」と諦めかけたところ「もしかしたら?」と思って試してみたのが上の左の画像、「人間旋盤」です。
今から30年近く前に買って愛用しているルーターを持ち出し、まずダンパーの下端をルーターにセットできるかやってみたところ、何とかプラを砕いてしまう直前で固定できそうです。次に回転スピードを最も遅くしてブレずに回るかチェック、そしていよいよ刃を新品に替えたデザインナイフをそ~っとダンパーに水平に当てます。
「おおーっ、ちゃんと削れる!」 これでダンパー部分が作れました。
続いてコイルスプリング、ここはアルミなどの柔らかい金属を使った方が曲げやすいところですが私の手持ちは0.8mm、これでは太すぎます。しょうがないのでいつもの洋白線(0.5mm)を爪楊枝に巻いてみたところ、結構な力を入れれば何とか曲がります。
そして、やっと2本分のコイルを巻いた頃には指先は赤みを帯び、その日は痛みが収まりませんでした。

そこでロッド部分をココも洋白線に置き換えました。ついでにアンチロールバー(スタビライザー)についても置き換えを検討しましたが、ここはキットのままでもまあまあリアルだと思いますのでそのままにします。
これでフロント部分の加工はいったん終わりです。

(フロントサスがむき出しのクルマなのでダンパーやロッドのデティールUPは効果が大きいと思います。)
【番外編/PoC】ネオジム磁石を使った、エンジンフードとフロントカウルの「着脱化」実験
このキットは決して新しいものではなく、パーツの接合部分には曖昧な部分も多々ありそうです。(そもそも古めのキットしか作ったことがありませんが・・・)その中でも特に微妙なのがフロントカウルの接着です。ここが少しでもズレてしまうとエンジンフードとの間にすき間ができてしまい、他がうまくいっても全体の出来が台無しになってしまいそうです。
もう一つ、フロントカウルを接着してしまうと、ほど良く再現されているフロントのバルクヘッド部が覆い隠されてしまうのは非常に勿体無いのではないか?
・・・ということで、存在だけは知っていてずっと頭の片隅にあった「ネオジム磁石」を試してみることにしました。
試すことができるのは前にも書いた通り、そもそもキットが3つあって、2つ目のキットのボディはリアエンドの加工用に後半部を切り取り前半部のみながらも残っているからですね。(その他にも前作のスプライトにヘッドライトやタイヤ/ホイルを使っています。また3つ目のキットは、エンジンやタイヤ、フロントサスなどを他のトランスキットで使うためのものです。)
私がそれまでネット動画などで見たホビー用のネオジム磁石はすべて円筒形です。しかし今回、円筒形では不適当、さっそく探してみたところありました!「10✕3✕2mm」サイズな”のべ棒”型です(50個入700円也)。

(画像ではわかりにくいですが、6個のネオジム磁石接着部はすべてプラ板で台座を作り接着面の面積をかせいでいます。)
その後(2日間を費やし)6個のネオジム磁石を直接接触させずに適度な磁力を発揮できるよう配置し、エポキシ系接着剤でガッチリと接着しました。

画像ではわかりませんがフロントカウル部分の磁力がやや強すぎる感が有るものの本番では調整可能、ほとんど気を使うこと無く確実かつ簡単な着脱ができました。また、フードの裏側やカウルの内側は磁石を隠すことが出来ませんが、塗装でそれなりにわかりづらくできそうですし、何よりフロントカウルの着脱可はグッドアイデアだったと思います。
今回はここまで、このあと本番キットにもネオジム磁石を仕込んで、今回使ったフロントカウルは自分好みに一部カタチを修正して付け替え可能にします。
なお、前回の更新以降しばらくストレート組みを続けるつもりでいましたが、予定を変更しダッシュボード周りの加工を行う予定です。
(7月25日)
【追記】フロントサス周りの工作

(久しぶりに全体を仮組みしてみました。思った以上に時間がかかっていますが今のところ順調ですね。)
本番キットにもネオジム磁石を取り付けた後に仮組みしていた中で、フロントサス上側の取り付けがうまく行かないことに気付きました。このパーツは、フレームの一部とアッパーアーム、そしてアンチロールバーが一体化した割と複雑な形状のパーツなのですが、たぶん長くランナーに繋がっていた時点で微妙なクセが付いてしまったようです。
前回、「・・・アンチロールバー(スタビライザー)についても置き換えを検討しましたが、ここはキットのままでもまあまあリアルだと思いますのでそのままにします。」と書きましたが、考えを改め0.8mmのアルミ線で自作することにしました。(上の画像)
アルミ棒の曲げに2回失敗した後、3回目でピッタリの角度にキマり、アンチロールバーの固定パーツも自作して組んでみたところ、今度は何のテンションもかからずスムーズにアッパーアーム側の仮組みが出来ました(やった甲斐がありました!)。
(7月30日)
インパネとメーターリングの自作
今回のセブンも前作のセブリング風スプライト同様に屋根のないクルマで室内は丸見えになるので、特にインパネ周りに気を使うことになります。 前作のスプライトではメーター(デカール)の上にクリアなフィルムを被せたことでガラスのような光沢を得られ、とても気に入っていました。しかしながら、インパネが分厚くメーター(文字盤)がかなり奥まってしまった事、そしてメーターリングを塗装して済ませた事の2つが反省点でもありました。

(メーター穴の位置を合わせるのにやや苦労し3回失敗、慣れてきた?4回目で成功)

私の憧れる1/43カーモデルのプロのフィニッシャーさんは金属線を丸くすることでメーターリングを自作なさっていますが、その様子を動画チャンネルで見るたびに感嘆していました。 そして「1/43に比べたら2倍近く大きいわけだしオレもやってみるか!」と挑戦してみました。
材料はおなじみ洋白線(0.4mm)。やってみる前はきっと難しいだろうと思っていたリングを作る作業ですが、何回かやっている内にコツがわかっていき「輪っか」だけは簡単に作れるようになりました。ただし、キレイな円形にすることと大きさを調整することは別です。とりあえず大小5個のリングを作って、パネルにはめ込んでみます(これがかなり難しい)。

「おお! けっこうリアルじゃない!!」
そして調子にのってボディに仮止めしてみました。

ウン、塗装はもちろんエッチングのリングより絶対リアルだ!という第一印象です。
でも、よく見ると特に左側の大小のメーターの形がいびつです。
そしてここから沼にはまり込んでいきます。なかなか真円に近いリングが出来ないうえ、何しろ小さいものなので出来の良い方を失くしたりしながら悪戦苦闘しながら何とか完成させました。その中で薄い0.5mmのプラ板パネルがヘタっていき、少しのチカラで割れてしまいそうなので撮影は止めておきます。(結局割れてしまい作り直しました・・・)


このあとパネルを塗装し(塗装にキズを付けないように)リングを取り付け裏側から瞬着で接着、上記の即席治具を使ってデカールを(位置合わせしながら)貼り付け、さらにフィルムを被せ2枚を接着するという工程が続きます。果たしてうまく行くのやら?

何故そうしたのか?、考えられることは、
①このキットはラックギアごとタイロッドがステアする仕組みなので、ラックギア側は左右に可動する = シャフト側との接着は出来ず下側へ伸ばして接着するしかないか。
②わりと奥まった所にあるので(①の方法で)ゴマかせる。
と言ったところでしょうか?
ですが今回わたしはノーズカウルを着脱式にすることで、特にノーズカウルを外した際に、このラック&ピニオン部分もよく見えてしまうはずなのです!。つまり今のままではちょっと(かなり?)オマヌケなことになります。
ここの解決に幾つかアイデアが浮かんでいるのですが、もう少し悩んでみようかと思っています。
(8月7日)
インパネの仕上げなど

このインパネは、1個で出来たキットのパーツを使わずに、2枚のプラ板とクリアシート、そして17個の金属パーツ!を作って自作したものです。ちなみにグリーンのパイロットランプは0.8mm径のアルミ線の先端をクリアグリーンで塗装したもので、キーシリンダーは1mm径のアルミ線の断面に縦の溝を掘ったものです(ただのマイナスネジにしか見えませんが・・・)。
仕上げてみた感想としては、こうすれば良かったという部分が何ヶ所もあるものの、金属線を使ったメーターリングの輝きとクリアシートの反射がハッキリと見えて、初期の目的は達成できました。
そしていよいよエンジン周りの工作に移りますが、下は仮組み状態の画像です。


アタマで考えた時点でこりゃムリだと諦め、メンドクサイけど3mm径のプラ棒から自作しようと思っていましたが、翌日、静かな朝の落ち着いた時間に試しにやってみたところ、ナント、出来ました!(左の画像)
このあと悩む必要があるのは、①プラグキャップをどうやって作るか? ②基部と一体パーツになっているラジエターファンを3枚羽根から4枚羽根にどうやって変更するか?、くらいでしょうか。
そこが解決できれば、あとは手を動かし続けるだけになる・・・筈です。
【番外編その後】

フロントカウル上側のネオジム磁石がラジエターの上端をギリギリ避けることは確認していましたが、エンジン側の方は油断していました。
「これはマズい、エポキシ系接着剤でガッチリ接着した磁石とプラ板のガイドを外すのはムリではないか?」と思いましたが、ラジオペンチで磁石を挟み、力を入れてそ~っと引っ張りながらグリグリすることで何とか外すことが出来ました。左の画像はその後にガタガタになった接着面をヤスって均し終えたものです。
そして、ネオジム磁石が無い状態でエンジンフードとフロントカウルが密着するかやってみたところ、特に問題なく接合することができホッとした次第です。
(8月16日)
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